世界遺産検定はNPO法人 世界遺産アカデミーが実施・認定している民間資格です。世界中に散らばる世界遺産。日本にも世界遺産が21か所存在しており、つい最近も「宗像・沖ノ島」が世界遺産に登録されました。世界遺産を訪れる方は年間通して多く、注目されています。そんな世界遺産について勉強してみましょう。
世界遺産検定を学ぶ意義はなに?
世界遺産といってもさまざま。民族紛争や戦争で破壊された、また破壊の危機にあるものもあれば観光地化されたものもあります。
世界各地にある世界遺産の背景を知る、学ぶことで世界の歴史や現状を知ることができるのが大きな魅力です。世界遺産検定の受験者には旅行雑誌の編集者や旅行・観光会社で働く方々、商社マン・テレビ局営業・社会科教員など世界遺産の知識が必要な方ばかりでなく、主婦やお寺の住職、食品会社勤務のサラリーマンなど一般の方も多数受験しています。
世界遺産を通して世界情勢や歴史を知ることが、この検定の意義や面白さです。
認定級は?
世界遺産検定の認定級はマイスターを最上級として、1級~4級まで設定されており、2~4級は誰でも受験できます。
1級受験は2級合格者、マイスターは1級合格者でなければ受験できません。初歩的な4級は日本にある全ての世界遺産と、主要な世界遺産30件が出題範囲となっており範囲も限定されています。
マイスターとなると論述試験となり、知識丸暗記ではまず対応できません。自分なりに世界遺産に対する確固とした意見や理論がないと合格できない仕組みになっています。
合格率や受験者数など
10年以上の歴史がある世界遺産検定ですが、受験者はすでにのべ16万人を突破しています。
2017年7月に開催された試験では4級の合格率は91%、ほとんどすべての方が合格できるのが4級です。3級の合格率は73%、2級は53.2%、1級は20.2%、マイスターは48.7%となっています。一番難しいのは1級のようです。
受験者数は一番多いのが3級の4,490名、マイスターが一番少ない39名となっています。毎回1万人以上の受験者がいるのは驚きです。
勉強法とは?
世界遺産検定の勉強法は1~4級まで対応するテキストが販売されていますので、それらテキストを購入して独学で勉強するのが王道です。過去問題集も発売されているため、テキストと過去問の合わせ技で合格を目指します。
2~4級はそれほど難しい試験ではないため、独学で1~2ヶ月勉強すれば合格圏内までいけるはずです。通信講座や講習会などは開催されていません。
受かるとどんなメリットが?
世界遺産検定に合格すると一部大学(福岡大学など)では、入試で判定優遇、点数加算などの優遇措置がとられます。
旅行業界に就職する際も、就職時に自己PRとして利用できますしJTBグループや近畿日本ツーリスト個人旅行、阪急交通社の3社はとくにこの検定に注目しています。履歴書には3級から書き込めるので、3級以上を狙うと良いです。もちろん今、旅行業界で活躍している添乗員・ツアー企画者・カウンター業務者にとっても役立つ民間資格です。
試験の実施要項など
受験者が一度に1万人を超える超人気資格だけに、多くの受験希望者の受け入れを可能とするため年に4回開催されています。
受験地は札幌・仙台・水戸・宇都宮・高崎・さいたま・千葉・柏・東京・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸など主要都市で受験可能です。
申し込みはインターネットと郵便局からの2種類となっており、インターネット環境がなくてもパンフレットを請求すれば郵便局から申し込み可能です。試験開催地と日時をしっかり確認するのをお忘れなく。
まとめ
社会情勢が刻々と変化しているなか、世界遺産の歴史や現状を学ぶことで世界史・日本史はもちろん、社会問題や地理など幅広い知識が学べる世界遺産検定は魅力ある民間資格です。旅行・観光業界の方だけではなく一般の方にも広く受け入れられており今後が期待できり検定となっています。