おもに建設現場や建築現場、輸送、農林水産業などの現場で、大きなクレーンが資材や木材を吊り上げているのを見た事がある方も多いと思います。例えば家を新築する際、大黒柱など大きな木材は人の手で持ち上げることはできません。そこでクレーンでトラックから木材を吊り上げて建築現場へと移動させる方法が一般的となっています。
建築・建設・造園・看板工事・運送業・機械設備業など幅広い分野で活躍しているクレーン。その操作のために必要な資格が移動式クレーン免許なのです。その資格取得法についてまとめています。 [:contents]
小型移動式クレーン免許とはどう違うの?
建設現場や工場、運送業、産廃処理業、造船業などで業務に必要な移動式クレーン。この免許を取得すれば、ラフタークレーン・トラッククレーン、オールテレーンクレーンなどの移動式クレーンを運転することができます。
これに対して小型移動式クレーンはつり上げ荷重が1トン以上5トン未満の物を言い、移動式クレーンの場合は吊り上げ重量に制限はありません。
小型移動式クレーンの場合は吊り上げ重量に制限があるため、約3日の講習を受ければ資格が取得できるようになっていますが、移動式クレーンはクレーン自体が大型なので講習に約6日間の期間が掛かるのが大きな差になります。
移動式クレーン免許の難易度は?合格率は?
移動式クレーン免許の合格率は安全衛生技術試験協会発表値の発表値では、平成18年が学科試験66.5%、実技試験58.4%となっています。
実技と学科の両方が通らないと合格になりませんが、実技試験の練習をする時間のない方は労働局長指定の教育機関で講習を受けることにより免除になります。学科試験対策を個別行っている教習所もありますので、学科試験に自信のない方はあらかじめ学科試験対策を受けておくのも良いです。
受験料や講習期間について
試験手数料は学科試験が8,300円、実技試験料が11,100円となっています。一発試験を受ける以外にも、労働局長指定の教習所に通い実技試験の免除を申請される方もいます。この場合、教習所に通うために約8~10万円の費用が別途必要になりますし講習期間も約6日必要です。
会社に勤務しているならその間はお休みしなければなりません。学科対策の講座も受講するのに4~5万円の費用が掛かります、期間も同じ6日前後かかります。経済的なのは一発試験に合格することです。各種テキストや問題集が発売されていますので、これらを参考にしながら勉強するのがお薦めです。
確実に合格したいなら教習所で実技を習う
講習所で学科の勉強をしても免除にはなりませんが、実技の場合は労働局長の指定した教習所で教習を受けることで実技試験が免除となります。
実技試験の練習をする時間がない、実技試験に通る自信がないと言う方は教習を受けるのがお薦め。移動式クレーンの運転方法や合図の出し方などの講習が受けられます。
資格取得には助成金がでる
移動式クレーン教習を受けるにはかなり高額な費用がかかります。これら費用の軽減を図るために移動式クレーンの場合は「建設事業主等に対する助成金制度」が適用され、条件をクリアすることで助成金が給付されます。建設業者でなければこの制度は適用されませんので、ご注意ください。
個人の場合もハローワークの指導で1か月未満の教育訓練を受けた場合、訓練費用の一部(訓練費用の2割まで、10万円が上限)が助成金として還付されます。該当する場合は早めに給付金の申告を行いましょう。
まとめ
移動式クレーンは建設・土木の現場に、造船業、運送業など、さまざまな分野で活躍しています。これら移動式クレーンの操作に絶対必要な免許を取得しておけば転職・就職に有利ですし、昇給や昇進、キャリアアップにも役立ちます。